イマだから語れるヘンカタ氏TC24−B1は瀕死の重傷を負っていました。 ヘンカタ氏TC24は実は大変な故障をしていました・・・。 ・・・あれは去年10月の富士でのS30ミーチングにトミタクZとヘンカタTCで富士に向かっていたトキに起こりました。 ヘンカタTCはエンジンフルオーバーホール後、ナラシ中でした。 岡山から出発後約400キロ時に発生です。 早速帰宅してヘッドを下ろすと。。。悲惨な光景が目の前に・・・。 あろうことかインテークバルブが1本折れて燃焼室内で暴れまわっています。 最終的にはヘッドに突き刺さっておりました。 ヘンカタガレージでヘッドを下ろしたのですが、あえてヘンカタ氏にはこの状況は見せませんでした。。。ヘンカタ氏には 『大丈夫!直ぐ治るよ!』 と伝えるのが精一杯でした(汗) さすがにヘンカタ氏もこの状況を見たら気絶すると思います。 私も逝きかけました(笑) 普通のエンジンならこの時点でゴミです。 内燃機屋サンに聞きまわったのですが、失敗したらアトがないのでそのようなヘッドは修理しかねます。との回答が・・・。 ここまでくるとトミタクガレージでの自力修理決行です!!!!
じゃあ早速状況確認です。 目を覆ってしまう気持ちを抑えてよくよく見ていくとやはり激しく損傷しています。 元々剛性があまり無くて、シートリングを外すと燃焼室が割れて、裏側の水穴に貫通しています。 プラグもネジがダメになり、そのまま上に抜けてしめーました(笑) もちろんプラグ穴も水穴と貫通しています。。。 しかしココで思ったのがキチッとナカゴも製作して燃焼温度が上がるプラグ穴付近、エキゾーストポートまわりにもきちんとウオーターを回すようにしていたのにはオドロキでした。 しかしながら1979〜80年、自力独学でよくコレだけのものを製作したのだと思います。 『TC24壊してわかるすばらしさ』 ってトコですか?
色々と考え抜いた修理法は、コレが正解かどうかわかりませんがフライスでそこら周りすべて削り取って、アルゴン盛りをして新たに、プラグ穴、ポート、バルブガイド穴、シートリング穴を加工し直すっていう前代未聞??の修理開始です。
さすがにこの時は修理に夢中でシャッターを切る余裕がありませんでした。 友人もシャットアウトして休日夜明け前の早朝から修理開始です。
今回入手したドイツ製のマイクロボーリングヘッドがコレまた大活躍です。 ナリは小さいのですが、非常に剛性が高く加工性が良かったです。 なんとなく旧西ドイツカメラのような造りの良さにも感心です。 飾っておいても良い逸品ですね。 しかし高価デシタ・・・。
そして深夜には数々の鬼門修理が完了です。
水圧検査もバッチリです!!ホッとしました。
シートリング&バルブガイドも製作してマイナス30度に冷やして ヘッドはカセットコンロで温めて入れ込みました。
バルブは某輸入車のバルブがドンピシャです。 これからの部品供給が安心になりました。 1気筒のみ以前より良くなったかも?です(笑)
で、ヘッドは無事に何とか修理できて、ブロック側なのですがピストン&シリンダーは大破でした。
ピストンは私が設計してみたのですが、NAなのでしっかり肉抜きしたのが幸いしてピストン側も大破したおかげで、燃焼室の破損がアレぐらいで済んで良かったです。
シリンダーは使用不可能です。貴重な42なのですがしょうがないです。
運良くコンロッドが全くの無傷で済みました。他が壊れてくれたから良かったですね。
クランクも大丈夫でした。
で、ブロックもまた42を新調してくみ上げていきました。 無事に調子良く回りました! ヘンカタ氏もホットしていました。
アレから4000キロ走行ですが以前にも増してヘンカタ氏も調子良いです。
先日の幽霊トンネルタイムアタックでもブッチギラレました!!
在実働状態のTC24−B1が世界に3基、他に私が確認出来ているTC24−B1で不動状態のモノが2基。
これ以上増えることは無いので、現在ある絶滅危惧種のTC24−B1を1基も減らすコト無く後世に残して行くのが私の使命だと思っています。
このエンジンを維持していくのには相応の覚悟が要ります。 TC24−B1に乗っている皆様、これからも安心して踏んでください(笑)