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フェラーリタコアシ修理 2007.12

なんかとんでもないモノがやってきました。
飛跳馬社のタコアシです。超高級車デーラー様からのご依頼です。
最初は割れているぐらいだろう!って簡単に思っていましたが現物をみて
ビックリ!でした。核爆弾が落ちた後、象が踏んだようになっています(笑)
どこに尋ねても修理を断られた理由がわかりました。引き受けたからにはどうにかしないとダメです。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

しかし、ナゼにこのようになったかを良く突き止めておかないとまた同じ
コトになりそうな気配がします。 点火時期が遅すぎるのか?失火?
色々と想像してみましたが、どうも失火の公算が高そうです。


フェラーリタコアシ修理 2007.12

タコアシを良く良く見てみるとエアーポンプで2次エアを強制的に送り
込むようになっております。生ガスに火が付き、ポンプでエアーを送るもんだからソレは大変な
コトになると想像できました。 V8エンジンなので4気筒の片バンクですが
そのうち3気筒がアウトでした(悲)1気筒の熱が着火の原因かも知れません・・・。


フェラーリタコアシ修理 2007.12

イタリアではこんな規格があるのか、パイプ径が40パイです(驚)
日本では38があり次に42.7ミリに飛ぶのでコレは困りました・・・。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

で特殊パイプを製作です。外径40パイで肉厚が1.5ミリのステンレスです。
ソレを用意出来たら今度は曲げ屋サンに直行です。この曲げ屋さんがすばらしい技術
をお持ちで、螺旋の曲げを得意としています。某大企業&お国の機関の特殊関係のきわどい仕事
ばかりをされています。 残念なのがこの技術を受け継ぐ後継者がいない事です。またここでモノ作りニッポンの技術が失われて行くのが残念でしかたありません・・・。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

日本は地下資源等が無い国なので、このようなモノ作り&特殊技術を持っているのが他国との大きな違いだったのですが
この特殊技術を持った職人さんたちが消えていくのは大変なコトだと思います。一抹の寂しさを感じます・・・。

で、溶けてしまった部分をいさぎよく切り刻んでいきます。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

それで今回曲げてもらったパイプを上手いこと駆使してつなげていきます。って書けばそれまでですが、純正ステンが完全に焼けて
酸化しているので、溶接がやりにくかったです。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

あとは純正の曲げのキツイ部分の断面
がキレイな円になっていないため、修正が大変です。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

あらためてこの曲げ屋さんの
曲げ精度に感心しました。ドコで切ってもきれいな円断面です。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

さてきわどい部分の溶接が終了です。ついでに純正は4番目が曲げの関係上、長さが短かったので
ついでに等長にしてあげました。こちらバンクだけが良くなってクルマが斜めに走るかも?です(笑)


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

次にこのタコアシは上下を薄いステンの遮熱板で挟んでしまいタコアシが
見えなくなってしまいます(悲)


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

純正はグラスウール?のようなシートを間に挟んでいましたがそんなモノ
がないので、包帯を巻いて上下をカバーします。

純正のフランジ部分はロストワックス製法で作られています。
コストダウンの半量産体制で製作されているようです。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

やはりココで登場ヘンカタ氏です。この遮熱板がなぜか動物的?表情をしていたのが通じたのか
バッチリポーズを決めてくれました!飛跳馬オーナーさんすみません。。。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

さて完成です。
ご依頼者様にも気に入っていただきました!


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

ところで純正は軽自動車が買えるぐらいするそうです(驚)
本国発注納期未定だったそうです。超高級ガイシャはここで苦労しますね。部品の供給が悪いと大変です。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

反対バンクは大丈夫なのかチト不安です・・・。

無事に取り付けれて走行できることを祈りつつ今回の作業を終了します。


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

こんにちは。
跳ね馬エキゾーストですか〜。

こりゃまた激しく損傷してますね。(爆
こんなの初めてみましたァ。
ここまでいっちゃうと新品がほしくなりそうですが、
修理できるもんですね。
トミタクさんの溶接も中々GOODですね!
跳ね馬だけあってEX新品の値段も跳ね馬なみ?!(恐
蛇みたいに螺旋に曲げたパイプ?!写真も
職人さんが砂詰めで曲げたものですか?


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フェラーリタコアシ修理 2007.12

こんばんはです。
ココまで損傷が激しいとかちかち山になるところでした(笑)
新品は時間がかかってしまうので、購入できなかったそうです。

しかしこのテのクルマは僕ら庶民には遠い存在ですね。
眺めるだけで満足です。
その写真がその曲げ屋さんの専門分野です。
砂は詰めずに手動ベンダーで曲げるそうですが
ホントに難しい曲げをする時は深夜に集中して作業するようです。
その中に冷却水を流したり、特殊な液体を流すそうです。


 

サニ太さんのコメントです。

すごい人がいるもんですね〜。

日本人は良く「真似ばかりする人種」と言います。
確かに車やバイクのパーツにしても外国メーカーに
似ているものは沢山あります。

でも、ただ真似するだけでは無く対品質や対価格や対装着性において、
ほぼ全ての商品が、本家本元より優れている?!と思います。

今は逆に日本製品に対して台湾や中国が、
かつての日本と同じく、模倣した製品を安価に市場に送り出していますが
しかしその品質は・・? 
本当に日本人は器用だと感じる今日この頃です。


 

フェラーリタコアシ修理 2007.12

ホント凄い人がいるんですよ。

サニ太さんが仰るとおり日本人は改良にかけては
本家より優れているモノは非常に多いですね!!
自動車部品については最初の考えは舶来の発想にかなわない部分が
あるような感じがします。しかし舶来の方々が考えたモノをすばらしく
改良して行くところに価値がありますね。

色々思うにたとえば金属などはどうしても舶来のように良質な鉄鋼石等
の入手が難しいので、熱処理とか表面改質の技術を高めるコトによって
性能を上げるのが得意な気がします。
海外は根本的な素材がいいので日本ほど表面改質をしなくても性能がいい
金属があるような気がします。