非常に希少なベーエムの修理をいたしました。
ＢＭＷ Ｚ１ っていうクルマです。 某カワサキのＺ１ではありません。。
１９８８年頃から２年ほど極少量生産したＺ１。 今も続くベーエムのＺシリーズの元祖のクルマです。
あまりもの少量生産からニッポンの運輸省の認可が下りず、しかし折からのバブル景気でどうしてもニッポンの路上を走らせたいと、熱心なマニアが大枚をはたいて夢を現実にし、極少数並行輸入で入ってきたクルマの１台です。
たしかこのクルマのアルピナバージョンは正規で輸入されましたが乗り出し価格が１５００万以上したのを覚えています。
このZ１は１０年以上前にお会いしたことがあります。 タダでも希少なクルマを更にオーナー様がモデファイして当時のカー雑誌（オートファッションimp)等を総ナメで特集されたクルマそのものであります。
あれから１０年以上経過しましたが、オーナー様もガレージで大切に保管されていましていまだにコンクールコンデションを保っています。
現在岡山県に２台生息しているのを確認しております。 もう１台のZ1も熱心なマニアの方が所有しております。
今回の修理ご依頼内容は大きいところでは助手席のドアが開け閉めできない状況に陥っているので、その修理がメインです。 後はこまごま点検＆修正です。
ハチゴロウと比べて見ましたが、やはり同じ頃のベーエム同士でなんとなくラインが似たところがあります。
このZ1の最大の特徴がドアの開閉です。 なんと電動でサイドウインドーと共にサイドシルの中に格納されていく開き方をします。 非常に精巧な造りで、ただただ感心するばかりです。
しかしながら、非常に繊細な部分がありますので、その部分の調整を徹底的に作業していきます。
コノクルマのボデーパネルはカーボン系の複合材で出来ておりまして、各パネル類は片手で持ち上がるぐらい軽く出来ております。
素晴らしいのが、一般的に良く見るパネルのベコベコ感が全くありません。 型の精度が素晴らしいのか、材質がすばらしいのか、２０年経ってもラインを保っています。
さすが手間とお金が十分掛かった造りをしています。
サイドパネルを外すと全貌が見えてきます。 希少なクルマなので細心の注意を払っての作業です。
もちろん部品も日本にないので、本国発注になりますので金額と時間が掛かるため、失敗は許されません・・・。
ドアパネルはタイミングベルトで駆動して上げ下げしています。 ホント凝った造りに感心します。
サイドシルは鬼ぐらい丈夫に作ってあります。このテのクルマはサイドシルとフロアトンネルの高さで剛性を稼いでいると思われます。
エンジンはこの当時の３シリーズの直６、２５００ｃｃエンジンを使用しております。
このエンジン、非常に懐かしいです。１２年前に私もコノエンジンのベーエム320を乗っていまして、２０００ｃｃを２９００までボアとストロークをUPさせてキャブにして乗り回していましたのでアノ頃を思い出しながら作業いたしました。
タペットを取ってついでにオーナー様にはナイショで結晶塗装して遊んでみました。
結果オーナー様にも超喜んでいただきました。
各パネルのこまごました部分がクラックが入っているところが所々あるのでその部分を強力接着材で接合していきました。
そしていよいよオーナー様が乗って帰られました。 ドアも気持ちよく上げ下げ↑↓できるようになりまして、ホント良くなりました。
絶好調になったとオーナー様からお電話が掛かってきました。ありがとうございます！！
トミタク様へ
遅くなりましたが、大変お世話になりました。 ドアが壊れる前は車に乗ることが嬉しくて 仕方なかったのですが、壊れてからは車に乗る事が憂鬱になっていました。 ところが、トミタク様の熱意でドアを直して頂き 更には、サプライズで結晶塗装（エンジンルームがカッコイイ） そして、きめ細かい修繕作業等や、もう１つのサプライズのタッペト調整！ なんと乗ってビックリ！エンジンの調子の良さ！ 帰路での楽しいドライブ！ 最高にトミタク様へ感謝しています。 今後も、宜しくお願いします。
